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29 ずっと一緒にいるから 

Auteur: 鈴田在可
last update Date de publication: 2026-04-28 17:46:32
 フィオナとジュリアスの二人は、初体験のためにキャンベル伯爵家の海辺にほど近い別荘にやって来ていた。

 魔法陣を使った転移魔法で別荘に着くなり、フィオナは彼女の部屋として割り当てられている部屋まで姫抱きで連れて来られた。使用人もいない時期なので掃除の必要があったはずだが、ジュリアスは浄化魔法一発で部屋を綺麗にすると、フィオナをベッドに下ろして覆いかぶさり、すぐにキスを落としてきた。

「んっ……」

 キスをされつつ服の上から体をまさぐられ、気持ちよくなって声が漏れる。ジュリアスの手つきは何だか性急で、余裕がなかった。

「あの、お風呂は?」

「魔法で綺麗にする。早く抱きたい」

 キスの合間でたずねてみるも却下の答えだった。本当は、フィオナは本番初体験するならゆっくり入浴してからでも、と思ったが、「抱く」と決めたジュリアスの行動が素早すぎて、喘がされつつ、脱がされるままに彼に身を任せるしかなかった。常日頃から可愛い下着を身につけておいてよかったと思った。

 なんでいきなりこんな展開になっているのか、フィオナ自身もよくわかっていない。

 いつものように男装してキャンベル家の馬車
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     フィオナはまた寝ていた。  数日間別荘で寝ていたために筋力が落ちていて、騒動後――シド死亡後にその場にいた獣人姫ヴィクトリアが魔力暴走をしかけたがそれも解決した後――は、どっと疲れを感じて、ジュリアスと共に銃騎士隊本部の執務室に戻ると、令嬢姿のままで部屋のソファに横になって眠ってしまった。  アークに起こされた直後に動けたのは、「ジュリアスが死んじゃう!」と必死だったので動けただけだった。  すうすうと寝ていたところに、ギュッと誰かに抱きしめられる感触がしたので、フィオナはより安心し、睡眠をむさぼった。  フィオナがパチッと目を覚ました時は周囲は闇で、『あれ、もう夜?』と思ったが、全く一切何も見えないのもおかしいなと思っていると、隣のぬくもりが動いた。 「フィー……」 「ジュリアス、真っ暗よ。何も見えない」 「そうだろうね。今、俺が作った暗黒空間にフィーを閉じ込めているから」 「え? それはどう―― んっ……」  疑問を口にする前に、ジュリアスに唇を塞がれ舌で口内を気持ちよくマッサージされて、フィオナは思考がちょっとトロンとしてきた。 「私はあなたの正体を誰にも言わないし、絶対に別れないし、ずっと一緒にいるよ?」  フィオナは、ジュリアスが自身の正体が獣人であることの口止めのために、「閉じ込め」をしているのかと思ってそう言ってみた。 「それは、うん…… わかってる。フィーが『俺の正体が獣人でも愛してる』って父さんに言っている場面を、セシが戦闘中に見せてくれたから。  フィーの愛がなかったら、俺はシドには勝てなかったと思う」  言いながら、ジュリアスがグリグリと自身の雄をフィオナの体に押しつけて来た。  ジュリアスは魔力切れを起こすほどのシドとの戦闘の後、本部に戻って来てからテキパキテキパキ仕事をしていて、多分疲労が溜まっている様子だった。疲れていると男はヤりたくなるようだと知っているフィオナは、自分からジュリアスの首に腕を回して抱きつき、「抱いて」と言ってキスをした。 「でも、真っ暗なのはちょっとね。あなたが見えない」    そう言うと、ジュリアスが真っ暗な空間に魔法で、ポールに提げられたランタンを何個か設置してくれた。  明かりがついてわかったが、ここはやはり執務室ではなくて、自分たちが乗っているベッドとランタン以外には何も

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  • 男装令嬢の恋と受胎~国一番の顔面偏差値を持つ隠れ天敵な超絶美形銃騎士に溺愛されて幸せです~   《受胎編》1 孕ませ 

     初めて結ばれて、海を見ながらプロポーズされた日から、もうすぐ三年が経過しようとしていた。「ジュリアス、あのね……」「うん? フィー、『おやすみなさい』かな?」 フィオナは恋人との時間を多く持つため、住まいを首都のキャンベル伯爵家のタウンハウスから、ジュリアスと同じ銃騎士隊員用独身寮に移していた。 夜、フィオナは隣のジュリアスの部屋にお邪魔して、朝までお邪魔を続けたかったが、読書に没頭しているらしきジュリアスは、エロ事よりも本の方が気になる様子で、その気ではないようだった。 ニコッと聖人のごとき清らかなる美しき笑みを向けられてしまうと、欲望をここで伝えるのも何だか違う気がして、フィオナは全身にくすぶる「今日は抱いてほしい」熱を、何とか抑え込もうと思った。 ジュリアスとは頻繁に体を重ねていたが、時々今回のように「エッチなことは全くしませんよオーラ」を出してきて、紳士対応をされてしまう時があった。「う、うん、おやすみ。また明日、ね」 フィオナは夜の挨拶をしてから、すごすごと、隣の広々とした貴族仕様の独身部屋に戻った。  ****** 三年前、男女の関係になった後すぐに、結婚を保留にしていたジュリアスの態度に変化が起こった。 いわく、すぐにでも結婚したいと。 しかし、そこから約三年経過しても結婚に至っていないのは、ひとえにフィオナ側に理由があった。 フィオナが銃騎士になったのは殺された家族の仇を討つためだ。あの獣人王と呼ばれているおぞましい赤髪の獣人を狩るまで。銃騎士を辞めるわけにはいかない。 結婚したらきっと子供も出来るのだろうし、銃騎士を続けるのは無理がある。ジュリアスからも、仕事中に一緒にいられるのは嬉しいが、危険がつきまとう仕事なのだからとそれとなく言われている。 危ない仕事を最愛の人にしてほしくないのはこちらも同じなのだが、銃騎士を相手に選んでしまった時点でそれは仕方のないことなのかもしれない。 いつまでも性別を偽り続けることはできない。 ジュリアスは無理を通して銃騎士になったフィオナの思いを汲んでくれて、「いつまででも待つ」と言ってはくれる。 国中の女たちが結婚したいと焦がれるような相手なのに、その男を待たせてしまっていることを申し訳なく思う。 どこかで区切りをつけなければいけないことは、フィオナもわかっていた

  • 男装令嬢の恋と受胎~国一番の顔面偏差値を持つ隠れ天敵な超絶美形銃騎士に溺愛されて幸せです~   30 結婚しようか 

    「あっ…… あっ……」 変幻の指輪を抜き取られて女に戻り、裸にされたフィオナの胸にジュリアスが吸いついてくる。もう片方の胸の先端も指先でピン! と弾かれると、これまでの営みでジュリアスに敏感に仕立て上げられていた乳首から、甘い快感が走って全身に広がっていく。 繰り返し指で弾かれ擦られる片側の乳首と、柔らかな熱い舌で転がされるもう片側の快感が共鳴して、やがて触られていない膣内が、まだ知らぬ肉棒をねだって収縮し始める。「きもちいい……っ もう、イく……」 快感に頭を焼かれそうになっていたフィオナは、絶頂が近いことを知らせながら全身を小刻みに震わせ始めた。すると、ジュリアスが胸をいじっていた手をフィオナの秘部に滑らせ、親指で勃起したクリトリスを刺激しながら、蜜壷の中に指を挿入してきた。「あぁっ! ああっ! イっちゃうぅっ! んああぁっ!」 ジュリアスの指で絶頂させられるのはいつものことだ。フィオナを知り尽くした彼の手で内側の良い所をトントンと刺激されながら淫芽を潰されると、フィオナはブシュッと潮を吹き出しながら達した。 絶頂に翻弄されている最中も、快楽の波から下りてきた後も、ずっとジュリアスは膣内を執拗にマッサージしている。フィオナはまたすぐ次の快感に体を押し上げられて、心の中はジュリアスに愛されている喜びでいっぱいになった。「フィー…… ごめんね、フィー……」 フィオナはこれから彼と一つになれるのが嬉しくて、その反動で明日世界が滅ぶのではないかと思ってしまうほどに幸せだったが、一方のジュリアスは、青い瞳に情欲の炎を灯しながらも、どこか罪悪感を抱えているような表情をしていて、おまけに謝ってきたのがとても気になった。「結婚できなくても、いいの。私はジュリアスとずっと一緒にいられるだけで幸せだから」 結婚できないことを後ろめたく思っているのではと思ったフィオナは、ジュリアスの気持ちを軽くしたくてそう伝えたが、彼は「ありがとう」と言って微笑みを返してくれたものの、完全に憂いが晴れたような様子でもない。「ジュリアス、ずっと思っていたの…… あなたは一体何を抱

  • 男装令嬢の恋と受胎~国一番の顔面偏差値を持つ隠れ天敵な超絶美形銃騎士に溺愛されて幸せです~   8 据え膳になるのよ、フィー!

     パタリとドアが閉まる。ジュリアスと案内役のギルバートの足音が遠ざかっていく中、話し合いの終わった室内にて、祖母キャスリンと二人きりになったフィオナは――「フィー! あの魚絶対に逃がすんじゃないわよ!」 先ほどまでの淑女然とした雰囲気から一転、フィオナの両肩を掴んだキャスリンは、クワッと目を見開き、勢い込んで話すが、あまりの勢いにフィオナはのけ反った。「さ、魚……」「とんだ大物よ! 彼はきっと大出世するわ! デキる男感がビシバシと伝わってきて、全身がシビレたもの! 彼だったらもしかしたら本当にシドを倒せるかも

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    「おばあ様は、フィル兄様が銃騎士になりたいと言い出した時に、許可を出されたじゃないですか! 『銃騎士隊との繋がりが増えるのは良い事だ』とも仰っていたじゃないですか!  フィル兄様は大丈夫で、どうして私は駄目なのですか⁈  フィル兄様は家を継ぐ必要がありましたが、私にはない…… 家を継ぐのはオル兄様。ならば、私は別の形で、この家を、この伯爵領を守りたいんです!」  フィオナが銃騎士になることを許可しない発言をしたキャスリンに、フィオナが食ってかかる。 「お前は伯爵令嬢、フィオナ・キャンベルなのですよ。お前の人生を犠牲にする選択を、私は肯定できない」  フィオナの情熱を、冷静さで受け止め

  • 男装令嬢の恋と受胎~国一番の顔面偏差値を持つ隠れ天敵な超絶美形銃騎士に溺愛されて幸せです~   6 VS女帝

     銃騎士養成学校入校試験の合格がわかってから数日後、フィオナは実家の伯爵家に戻っていた。 フィオナは入校試験の合格をジュリアス経由で聞いていたが、その結果自体はキャンベル伯爵家に送付されるそうで、その前に自分たちの口で伝えた方が心象が良いだろうとジュリアスに促されて、フィオナは合格祝いとして彼からプレゼントされたセンスの良すぎる婦人服を身にまとい、髪は短いが令嬢の姿で、実家に戻った。 フィオナはジュリアスと共に馬車で領地の伯爵邸に向かっていたが、もうすぐ着くというところで、伯爵家の美貌の使用人ギルバートに馬車を止められ、「フィー様ッ! よくぞご無事でぇぇぇー! ああああ私のフ

  • 男装令嬢の恋と受胎~国一番の顔面偏差値を持つ隠れ天敵な超絶美形銃騎士に溺愛されて幸せです~   5 俺を好きにならないこと

    「どうかこのことは内密にしてください! 私は銃騎士になって家族の仇であるあのおぞましき赤髪の獣人王をこの手で討ちたいのです! あなたが黙っていてくれるなら何でもしますし、あなたの下僕でも舎弟でも何にでもなりますから!!」 根が真っ直ぐなフィオナは、女バレを咄嗟に誤魔化すのではなくて、認めた上で自分の情熱を伝えた後に、口止めを願い出た。「黙っているのは君次第だけど、どうするつもりだったのかな?」 彼は自らを、ジュリアス・ブラッドレイと名乗った後に、そう尋ねてきた。 口調は年長者が年下に「悪さをしたのか?」と優しく問いかけるようなそれであるが、君次第だけどというところに、フィオナ

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